― シコン港外洋 ―
[海の上で邂逅したファミルは、記憶にあるよりも大人びて、いくらか影と炎の気配を纏っていた。
首を傾げる様子に、口元が綻ぶ。>>0:103]
あなたの声で呼ばれるのでしたら、いかようにも。
以前のように、名で呼んでくださっても構いませんよ。
[知己同士の、どこか気安い遣り取り。]
お掃除、ありがとうございます。
花の季節には、ぜひまたお伺いしたいですね。
いずれ、自由にお邪魔できるようになるでしょうから。
[海峡が帝国のものになればいくらでも。
そんな含みを込め、先導する小型艇を追って再び艦隊を進め始める。]