― 西五区・舞踏場 ―
[ゆら、ゆらり。
少女が見守る前で、銀色の煌きはその数を増やし続けていく]
……いのちのいずみ。
穢される事なきように。
[小さく呟きつつ、少女はそ、と手を差し伸べる。
そこにあるのは、銀灰色の六翼から零れた一片の羽。
それはふわり、と意思持つように舞い上がり──銀の光を、放つ。
光は銀色の煌きを包み込むように広がり、僅かな間を置いて、糸のような形を作る。
光が転じた糸は絡み合い、銀色の煌きの生まれ続ける場所を包み込む、繭のようなものを作り出した]
……あとは。
あるじさまの、仰せのままに。
[なすべき事を果たした銀の娘は、相変わらず無機質なまま、小さくそう呟いた。**]