─0日目・AM11:00・エントランス─
(片手に広げた招待状と建物を見比べる。間違いなく、ここが『入学前の親善合宿』とやらの会場だ。入学を許されただけでも奇跡のような状況だというのに、このような機会までもらえるとは僥倖に過ぎる。自然、落ちる溜息は重い。───それだけでは終わらない、という決意も込みだ)
……さて、受付はどこだ……?
(最低限の荷物を入れたボストンバックを片手に広いエントランスを見回した。一人でいることに嫌気を見出す程かわいい性格のつもりはないが、それでも見知らぬ建物に対する緊張感はある。誰ぞいないものか)