[天帝の招きに応じ、天上宮へと参じた玄武神は、腰を落ち着ける暇もなく天帝の座所へと呼び出され、意外な事実を知らされた。曰く、数刻前、天の苗床に、怪しい暴風が吹き荒れ、天星仙花の苗がその風に攫われ消えたという]
確かに、偶然とは思えぬ凶事ですが、何故、私に?
[問うのは、冬の神であり、不動の守護たる玄武神は、花の捜索には不向きであろうとの自覚がある故だったが]
『仙花は地上に落ちたとの八卦が出た』
『地上にて天の花が開花すれば、その香に人心は乱され、地に騒乱を招く事となろう』
[返された天帝の言葉に、僅かに眉根を寄せる]