[新年の準備をしていたはずだ。久しぶりに遠征の予定もなければ征伐の必要もなさそうな年明けだというので、盛大に祝おうかとあれそれ手配したり計画を立てたりしていたはずなのだ。] … なのに、なんで飛んでんだかなあ。[ぼやく男の背には髪の色にも似た赤褐色の──内側は柔らかな象牙色の翼が、無意識に動いていた。]**