[覚えている人間があまりいない程度の昔、この城を野茨が覆うようになってから、ここは野茨城と呼ばれている。同時に、森へ入る樵や狩人の間に一つの噂が生まれていた。 "野茨城の薔薇は人を食う。 時々真っ赤に染まるのがその徴だ。"当たらずとも遠からじ。城に巣食う魔の気配を、人は感じ取っているのだろう。]