そう。落ち着いたならよかったよ
……そうだねぇ。やるべきことは山ほどあるし
まずは一段落着いたら酒でも飲むか
とはいえ、吹雪が完全に止むまでには
終わらせないと、な
[彼とは対照的に、自分の頬は乾いている
懐から取り出した聖書。取り出した手の掌がじくりと痛んだ
そのまま朗々と、聖句を諳んじるだろう
死者への手向けとして
そして、唱え終われば自分の胸にかけていた祖父の形見を
ぶちりと千切り取れば彼女の胸元に置いた
もう、”この村”の神父は死んだ
たった1つを選び、たった1つを信じ
他全ての信頼も願いも捨て去った
これからは唯のジムゾン・タートザッヘとして生きてゆく]