[自分が選んだことだ――後悔はしていない。けれど
同時に、それを選ぶということは
シモンが人間であるだろうということを告げないと、いうことは
夜にまた、犠牲者が出ることを”知っていた”ことでもあった
知っていた。けれど見ないふりをしていたんだ]
― 朝 ―
[神父は珍しく早く起きて、パジャマから神父服へと着替える
其の儘部屋を出て――向かう先は、初日に訪れた
ヤコブの、部屋だ
彼の事だ、きっと襲うならばカタリナではなかろう
案外甘い所もあるから
ドアノブに手をやる――かちり。開いて
床周囲一面の血>>5:135と砕けた窓ガラス>>5:123
そして吹雪から防ぐためだろう移動している箪笥と、
ベッドで眠るように死んでいる、ヤコブ>>5:124]