──── 回想 オズワルドと ────
オズワルド様、ですね。
私はヴィクトリアと申します。
[ まだ何度も口にしていない自分の名前を告げる。
職業は?と聞かれても、頭の上にハテナが浮かぶだけで答えられなかった。>>3:330 ]
私が、ですか……?
[ 妹と似ている、と言われれば驚かずにはいられない。
私は奴隷なのに、と思考がマイナスに傾いて
ひょっとすると申し訳なさそうに俯く顔が見えたかもしれない。
私は彼の後ろを歩いていたから、振り返りでもしなければ
見えなかっただろうが。 ]
ほっとけない…?
…ご家族の事、大切になさっているのですね。
[ 何も知らない私はそう言って、彼について行った。
私の家族はどんな人だったのだろうか。
兄がいたなら、こんな風に歩いたのだろうか。
私が奴隷でなかったら、今頃家族と生活していたのだろうか。]