─ 妖精郷 ─
[どうやって移動したのかとか、そもそも何でこうなったとか。
解らないこと尽くめではあるが、いつまでも戸惑っていても始まらない。
今出来ることが何か、すべきは何かを考えて行動してこそ道は開けるとは両親の教えだ]
気が付いたら此処に立っていたってことは。
なんらかの動きがあるなら、また此処に変化が起きる可能性は大、よね。
此処からあまり離れない方向で…あぁ、でもこの辺に顔洗える所って有るかしら。
[些細な異変も見逃さないようにと身を落ち着ける場所を探しつつ。
自分の顔にまだ墨が残っていることを思い返して、ちょっと眉を下げた。
ユウレンの王宮内であっても恥ずかしかったが事情は察してもらえる分まだマシだったけれど此処ではそうじゃないだろう。
どうしようかな、と思っていたら不意にきゃわきゃわとした声が空から聞こえてきて]