― クリーク砦北側 ―
[轟と燃え上がる赤い色>>1:577。
枯れ草へと足を踏み入れていた前衛の歩兵は為すすべなく炎にまかれた。
油がまぶされた枯れ草を蹴散らしていた者が足を炎に包まれ、悲鳴を上げている。
ただ、身を挺して散らした部分は炎の勢いが減り、無理矢理突破するのも可能なように見えた]
ッ、
いけるか? いや、もう一段 ────
[あと少し、あと少しで砦にとり付けるところまで来ている。
引かせる号を出さなければ、歩兵達は当初の予定を実行するように動くだろう。
だが引っ掛かるものを感じ、思案する間が空く]