あ、さっきの人達。
[そんな事を告げ歩いていれば、フロントで見た(>1:>689>>1:711)初老の女性二人組が楽しそうに言葉を交わして道を歩いているのが見えた。
彼女達と自分達の目的地は同じだから、確かにその姿を見るのも頷ける。
時を重ねた白が混じる髪に、柔和に細められた目元に薄く刻まれる皺。
それをお互いに指摘し合う声は、クラスで仲良くしている子達のはしゃぎ方と、そう変わらずに思えた]
素敵だね、あんな風に一緒にいられるの。
[自分と亜梨沙にはない未来だと思えば、表情にこそ出ないが、胸がつきりと痛んだ]