― 天上宮門前 ―
[ 一夜明け、伝令に従って門前へと集まった志願者と己が眷属から成る探索隊を前にして、漆黒の神は静かな視線を巡らせる ]
良く集まってくれた。
天星仙花は、吉兆の花…しかし花開く前に地上の妖魔に喰われれば、妖魔に大きな力を与えることにもなる。
故に、ただ花を探すのみならず、妖魔より守ることも必要となろう。
ここに集ったのは腕に覚えのある者ばかり、と見たが、くれぐれも己が力を過信はせず、力を合わせて探索に当たれ。
[ 低く告げる言葉に熱はなく、しかし、率いる者達の無事を願う心がその内に潜む事には、近しき者なら気付いたか ]