───あれから一ヵ月後、 国民にもたらされたのは、国王自らの口から発する王位継承者の名前ではなく、国王自身の訃報でした。 あまりにも急な国王逝去の報に、国中はあっという間に混乱に陥ります。 国民の心に不安の翳りが落ち、騒ぎは日を経る間もなく拡大する一方。 早く次期後継者を定めなければと誰もが危惧する中、亡き王が遺したという文書が発見されます。 そこに記されていたのは、 ウェルシュ王子を王位継承者として定める、 といった内容でした。