――前世の顛末――[少女を喰らった翌朝には飢えは癒え、弟妹を前に渇きに苛まされることはなくなった。しかしその後も村人は一人一人と消えていき、村人達は疑心暗鬼に陥って村人が村人を殺すことも増え、再びカスパルの飢えも強くなる。我慢できず弟妹の服を切り裂いた翌日、ありったけの金と共に、よく出入りしていた隣街の宿屋へ二人を預けた。一人になった家は寂しかったが、二度と弟妹を手にかけることがないだけでも幸せだった。]