[悲痛な思いを吐露し>>142、咽びながら泣くアイリ。元の生活に戻れるのか‥という問いかけに、脳裏に巡るのは気休め程度にしかなりはしないであろう陳腐な言葉。]
ーー大丈夫、大丈夫よ。
絶対戻ってこれる。
私が‥ついてるから。
[それでも、投げ掛けないわけにはいかなかった。安易に言い切ることがどれほど愚かしいか‥しかし、このまま壊れ行くことを恐れ、困惑し、無情を泣き叫ぶ彼女の姿に、そうでもしないと私も落ち着きを保てそうにはなかったから‥]
とにかく、一度ここを出ましょう?
うちに来て。これからのことを話し合うにしたって、学校の中じゃ誰に聞かれてもおかしくないわ。
[いくら隅の席とはいえ、憚らずに泣いていれば周りからの視線も集まる。幸いにして、大学からそう遠くない位置に私の自宅はある。
食欲どころではなくなって半分ほど残ったきつねうどんと、アイリの料理をカウンターへ戻すと、未だ嗚咽を漏らしているようであればアイリの手をーーほんの少しだけ躊躇って、けれどしっかりと握って。]