[自由自治区の領主――クレステッドは欠伸まじりに書類に目を通していた時だった。
まるで、その日の天気を告げるのように。
まるで、その日の夕食を訊ねるような口調でさらりと。]
あ。俺領主辞めるんで♪
後任は我が領伝統のグリード勝負で決めようーっと。
今決めた。
[非日常の始まりを、日常の続きのようにこともなげに告げた――。]
ち・な・み・に、後任つか次期領主候補にはもう連絡してるから。
みんなその辺りの歓迎よろしく。
[領主の屋敷内で震撼が走ったのは言うまでもない。]