― ローゼンハイムの小屋 ― おおかみさん、ねえ…[呟きながら、着替えを終えた男はリビングに戻り、中央のテーブルに赤い薔薇を生けた。周囲にはキャベツ料理やあまいデザートを色々と取り揃え同胞の訪れを今か、今かと待ち侘びている。男の帽子の奥… 頭頂部には獣耳族の証、獣耳が生えている。それはまるで、一見すれば狼と間違われてしまうような立派な尖り耳だった]