[夢と現実の狭間、揺蕩う意識が戻れば、近くにある気配>>6:+58に気づく。何度か瞬きを繰り返して、現実が何も変わっていないことを理解すれば、くつりと笑みに喉を鳴らした。――それでも、生まれたものはあるから。] 酒を酌み交わす暇はなかったようですねぇ。[名も知らぬうちに勝手に紡いだ言葉を掘り起こして、冗談めかした言葉を投げる。それ以上は近づくことも、声をかけることもせずに、城で生きる命を目を細めて見つめた。]