― 『世界軸』中層・奥の院 ―
[声と癒しを送った後、は、と小さく息を吐く。
下層へ向かう方法──奥の院への入り方は、以前と同じく、薄碧の仔竜に伝言を託しておいた。
天聖の『柱』となった二人が儀式の間を訪れたなら、奥の院に続く光の輪が見える事だろう]
……さて。
あちらの二人を送り出したら、ぼくも本気を出さないと、ね……。
[ふ、と小さく息を吐く。
『虚無』が侵食する際は、文字通りの全力を持って、その影響を世界軸内部に押し止めなければならない。
それは、神子が本来の姿に立ち返る、数少ない時でもある。*]