─ 月の舞台 観客席 ─そうさな。あのおのこは何を願って此度の舞台に上がったのかの。[>>2:59男に応じる口元は扇で隠しながらも、好奇心は隠さぬままに。妬むなどを抱いたかもしれぬこと、それを避けられたらしきを良かったという男にふむと頷き]それはほんに良かったの。嫉妬で力を増す性質の者も居るが、主には枷にしかならんじゃろうからな。相手を認めて、その上で挑む方が主らしいじゃろう?[口元を隠していた扇を、ぱちり掌に受けて鳴らした]