[彼の一挙一動が、彼の一語一句が、己を攫って行く。
魔族としての本能を忘れさせ、彼を求める一個に変えていく。
彼の頬を更なる恥辱に染めたい。
彼に我が身が受ける悦びの僅かでも教えたい。
ゆるゆると動き出してしまう下肢を笑え。
欲しがり、我慢の利かない悪徳に優越を覚えろ。
―――― 全て、彼だけのものだ。]
は……、ぁ…、
カレル、レン……、
[己も腕を伸ばし直し、自らのものを求めた。
腕の中に在るのが当然で、己を悦ばせるが自然な形を。>>213
誘われたのだか、堕とされたのだか、最早分からない。]