[淫らにしたのは貴方なのに。ああでも自分の中にその才があると言うのなら
それは本当かもしれない。開花させたのはもちろん眼前の男だが
熱のこもった吐息が耳朶に届けば、唇描くは弧月
薄緑の橄欖石は白銀を映して煌めいて]
ん、っ ふ………ほんと?
じゃあいっぱい、注いでよ。シグ
命の証を、私の中に
[囁く声に籠る熱
最初の時の様な怖がる気持ちなんてもうとっくになくなってしまった
ねぇだから、2人で愛の証を刻んで、そして踊りましょう
視線(意識)を逸らしちゃいやよ、シグ
私のシグは、おもちゃじゃなくって――私だけの、恋人なんだから
快楽の扉を開くなら、2人がいいのと背筋撓らせ、肌を桜色に染め上げて
妖艶に告げる唇もまた赤く染まっていただろう
生まれた意味も、愛の意味も。見つけるのは1人じゃできない
何もかも全部溶かしてしまうほどの悦楽を
私もあなたに、与えたい
酔いしれる様子で見上げる男の顎をつぃと指で撫で、
其れに雫が触れたなら、少し塩辛い汗の味をちろりと覗かせた舌で舐めとり伝えよう
婀娜花にしたのは貴方なの。だから
咲いた花を摘み取るのもまたその手だけと
肌を重ね思いを重ね、心を重ねて囀り鳴く]