[とくんと震える心臓が痛かった。
優しさの籠る言葉も、煽るような仕草も、
ずっと見ていた彼とは違う、ただの青年のようで。
じわりと滲む感情が痛さを和らげた。
指先が描く優しさと、擡げた心地よさを煽るような仕草に、
ずっと守っていた心の壁が融けていくその甘美さに。
>>_408躊躇いの残る開花は、
もう彼によって戻ることは許されないまま。
ちょっぴり文句を言いたげな、それでいて甘い響きで]
……ゃ……んん……、いわ、ないでっ……
[>>?411押し殺しきれない囀りも、濡れた指の軌跡も。
彼の腕の中で染まる自分自身の証のようなもの。
塞がれた唇は自然と開いて受け入れるだけでなく。
擦れた吐息を零しながら自分からも舌を絡ませ、縺れ合う。
唇が離ればなれになれば透明な糸を引くほど。
意地悪な囁きと、
下肢から伝わる熱さに瞳を揺らす。
浮かんだ涙の意味は、きっと伝わるはずで――…]