……ばかね。[>>_295そんなフレーズを呟くのは幾度目か。 彼が怪我をするたび涙を堪えて言った気がするけれど、 こうして羞恥に上擦る吐息交じりであったのは初めてで] わたしが傷付くのが怖くて逃げてたのだもの。 だから、踏み込ませなかっただけ、ん、ぅ…………[ふるりと震えて零れ落ちた弾力に沈む指先に、 塞がれた唇に――囁こうとした言い訳を飲み込んで。 柔らかな接吻に、ゆっくりと瞳を閉じ反応を返す。 舌が縺れ合おうとする仕草は、まだ稚いものだったけれど]