ー数日後ー
[それはまさに蜜月といっていいのだろう
何度か逢瀬を重ね、身体も重ね心も重ね
おじい様にだけこっそり報告すれば、お祝いの手紙が届いた
お父様には言わないようにと忠告があったけどどうしてかしら
紅梅の香る季節、いつもの空中散歩で楽しい日々を過ごした後
丘の上でコロンと転がり彼の腕の中で日光浴
穏やかな時間に、すっかり素直に彼に甘えるようになって
そしてちょっとばかり恥ずかしがるのも日常と化していただろう
重ねた唇、温かな体温に眦緩め
幸せを満喫していた、けれど――]
シグ、何か当たってる
[思わず頬を染めて指摘しつつ
ここってお外だよね、とちょっとだけ大混乱
思わずジッと見つめてしまうが、さてこの眼差しはおねだりと捉えられたか
それとも――……]