[常ならば、ここらでひとつ、揶揄か甘言が混じる所。 彼を虐め、弄り、苛む低音域が鼓膜を擽る筈。 だが、此度ばかりは音が無かった。 他の触手よりは細いとは言え、 既に二本を孕ませた後孔へ、三本目を迫らせても。 萎えることを赦さず、彼に細管を巻きつけても。 声は無く、在るのは―――、凝。]