[彼と共に小さな死を迎えるのは何度目か。 出逢ってから然程時も経たぬのに、既に両手では足りない。 いずれ、己の触手の数でも足りなくなるだろう。 鼓膜を震わせる声が愛しかった。 在る筈の無い心臓を締め付けるような呪文。 彼の呼び声が嬉しくて、 カレルレン《あいしている》、と囁いて返した。]