[己が必死であるように、彼もまた必死だった。
彼が吐精を堰き止めたのは、悦の高みを知る為か。
長く己と繋がりたがる故か。>>_257
精を幾ら吐き出しても、直ぐに体内で生成が始まる。
腹に刻んだ徴は精を浴びるほどに濃く変わり、悦を共有させる。
人の精神構造ならば、狂っても足りぬ快楽量。]
―――― ん…ぅ、 カレル、レン、
[契約の徴は己が貫くたびに胎動し、熱を身体中にばらまいた。
彼としか至れない高みは、癖になるなと云う方が酷。]
花の香りがする―――、
君の、香りが――――、
[熱に浮かされ、視界が霞む。
ネロリの香だと感じた馥郁は、彼の滴りから薫った。>>_258]