[唯一人へと愛を捧ぐなど考えもしなかった。
悋気に惑うなど、喜劇にもならない。
――― 重ね合わせた唇を、甘く吸いたてるなど。]
君の言い分も分かる。
自律とはその先の快楽を甘く変えるスパイスだ。
しかし―――、
[彼の制止に己の主張を乗せても、責め苦は止まなかった。
太い質量は媚肉を掻いて捲り上げ、再び狭隘に衝撃を走らせる。
彼を内側から満たす愉悦が、あまりに悦い。]
……ぅ、
―――……君への引力に、逆らえなくて、ね。
[掠れた声を出して、誘っているのか。
音を上げた振りをして、乱すつもりなのか。
彼の一挙一動が、頭の回転数を下げてくれる。>>_256]