[ゆら、と赫の眸が揺れる。
右にちらり、左にふらり。
ゆったりとした遊泳の果て、口角が僅かに上がる。
嘲笑と云うよりは、些か自嘲的に。]
似合わないかね?
[しれりと吐いてみせたが、格好は付かない。
彼を至近距離で捕えて貫いている癖、悋気まで起こすとは。
彼は己に息を乱していれば良いのだ。
背を震わせ、身悶えていれば良いのだ。
己を悦ばせる蜜言ばかり囀っていれば良いのだ。>>231
彼の自己主張へ入れる相槌は打擲音。
臀部と腰がぶつかる音色に、攪拌される水音の二重奏。
ねっとりと絡み合う心地良さに、稜線から溶けてしまいそう。]