[彼女とはじめて出逢ったのは、自分が通っていたキャンパスでの事だった。
無防備に眠るオクタヴィアを見上げながら、
ふとあの頃の事を思い出す。
綺麗で優しくて、彼女に治療してもらいたいが為に、
友人達と競い合うように怪我をこしらえたものだった。
そんな、たくさんいるアホな男子学生の一人だった夏の日。
修学旅行先の処刑場で行われた肝試しで、
自分は((においフェチ))のきぐるみを着て脅かし役になったのだったか。
暗闇から、「このままじゃおさまりがつかないんだよな」と囁いた結果、
彼女はどう反応したのだったっけ――――]