[_>>174濡れた唇を閉ざして弧を描く。
素直に喉はこくりと鳴って、"良い子"を保ったまま。
首筋へと回した腕の先、手指がそっとディタの髪を梳き]
……どうしよ。
[鳥籠で零したような不安げな響きではなく、
くすくす笑いでも滲みそうな、楽しげな雰囲気を滲ませて。
優美な曲線を歪ませるほど身を寄せ、
煌めく翠の双眸にはディタしか映さずに。
愛慕など受けたこともないせいか、
それを理解することができないはずなのに。
愛しい相手と密接する悦びが、瞳に微熱を増させているまま]
……ディーター……