[ 腕の中、今だけは閉じ込めるように抱き締めたメルヒオルの震える吐息が、竜の熱を受けて溶け解ける。
その柔らかな甘さを、竜の舌は掬い取り、触れた場所から、竜の想いと命も注ぎ込んだ。
やがて、朱に染まった頬を愛しげに見つめた竜の前で、メルヒオルの伏せた瞳が見開かれ、その中に見つけた色に、再び竜は息を呑む。>>_149 ]
お前の瞳にも、俺の色が混ざってるぜ...これで、本当に、おあいこってやつかな。
[ これは契約や術の効果ではないだろう、と、竜には予測がついている。片割れの命の欠片を飲み込んだ時に生じたのと同じ変化が、自分とメルヒオル双方に起こったということだ。
それは即ち、互いの命の一部を交換したと言うに等しい。 ]
これからは、お前の色が俺の色で、俺の色がお前の色でもある...