[_143聞き慣れてきた声なのに、聞き慣れない音にどきりとした。きゅっと、服を掴む力を強めようとした時に、顎に手をかけられる絡んだ視線に、目を瞬いた。]――ぁ、…レト[身を委ねるのはごく自然だった。睫を伏せ、重なる唇にかすかに震えたのは、全身が火照ったように熱く感じたからだ。]