[男が今までどのように思われていたかは、身形からすれば何となくわかりはするが。己に出会うより先に、男を見初めるものが居なかったのは今の竜には幸い。流石にそれを口に出さぬ分別もあり、今そのような事を口に出せぬ場合でもあったのだが]………へいはちろう[楔に穿たれる痛み、それ以上に感じる熱に。朦朧とした意識で伸ばした手と、潤む瞳は男から逸れる事無く。己が竜眼と、男の血で記された白百合の紋様が身に刻み込まれるまで堪えられぬ声を零し続けた]