−戦場にて−
――えっ……?
[目の前で、その姿が崩折れる。
昨日まで、否、つい先程まで元気に話して笑って、
……将来を共にできると、何の根拠もなく信じていた彼女の姿が]
ク、クレアぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!
[ああ、自分は愚かだ。
油断をするなと、自分は彼女に言ったのに。
よそ見をするなと、彼女は自分に言ったのに。
だがその代償が、まさか彼女に向くなんて――。
味方の兵が、敵兵に止めを刺す。
それを視界の端で確認しつつ、走る]
しっかりしろ、おい! クレア!
[抱き上げた彼女は鮮血に塗れ、
……どのように治療しようともう手遅れなのが、はっきりと理解できた]