[ただ、抱きしめたものの、その先の展望を考えているわけではなかった] …………そうか。[赤く染まる目元、震える眦に見惚れてしまう。隠せるようにベールを被せてよかった。と思いながら、どちらともわからぬ心音>>_67が、時に重なったり、時に交互に響くように刻まれている間、じっと見つめる。それは抱擁をとくまでの間、静かに続いた]