[が、それもほんの束の間のこと。それと、と続けられた言葉の後。>>_56なぞるように髪を撫でた無骨な手が、己を抱き寄せ。自分が魅せた花を咲かせたその胸元、押し付けるように力を込められて。聞こえたその音は、随分と早く打ち付けるものだったけれど]……わしのと混ざって、どちらか分からぬ。[おなじように早まった自分の心音のうるささに、恥ずかしいと目を伏せた]