― 召喚されし異界の疾風の勇者 ―
「ほんっとーに、しっちゃかめっちゃかだねえ。混沌の王が三人くらい居る感じ?」
『ウェル、それ割と冗談になってないわ』
「やっぱり?」
[ そんないつもの漫才?を交わしている疾風の勇者と風妖精の前から、援護頼むの一言を残して>>273振り返らず翔け出す疾風の子が一人 ]
「うん、任せて」『行ってらっしゃい』
[ 危ないなどと案じはしない。彼が振り向かずに翔けるのは、信じているからだと知っている ]
~Assuefactus tornado!~
[ 渦巻く風が、翔ける疾風を阻もうとする魔の軍勢を薙ぎ払い、風纏う剣が閃いて瘴気の闇をも祓った ]
「『行けー!星司!』」
[ 二つの声が重なって、異界の地にあっても揺るがぬ想いに紡がれた「始まりの風」が、疾風の子を包んだ** ]