― 何時かの刻 ―[家族がいるとの言葉>>_54には、短く「はい」と答えた。] 思い残しはあります。 それは、貴方です。[リリは氷華を見上げる。 それからそっと吐息する。まるで溜息だと見えたそれは、紛うことなき溜息だった。] 残して帰るのが心配です。 まだまだ、知らないことが多いままで帰るのは、 私はやり残しがあるみたいで、嫌なんです。[一度逸れた視線は、再度氷華へと向けられた。*]