20代前半、だね。
うん、10代だったらどうしようと思っていたんだ。
10歳くらいこの村では誤差だ、誤差。
ああ、そうだったね。
君のおばあさんが亡くなった時に、君と初めてちゃんと会話をした覚えがあるよ。
おやおや、嫉妬してくれているのだね。
ふふ。嫉妬くらいで嫌いになんてならないよ。
まあ、ちょっとばかりディークとの昔話をしておこうかな。
今から10年くらい前の話だ。
村に住むお年寄りたちが「嫁にどうか」と、こぞって自分たちの孫を墓場に連れてくる、という事件があったんだよ。
当時は恋愛なんて全くわからなかったが、まあ誰か一人は選んだ方がいいのかと悩んでいた時、噂を聞きつけたディークが怒って追い返してくれたことがあったんだ。「【孫が英雄の嫁自慢】をしたいだけだろう」ってね。
あれがなかったら、わたしは望まない結婚をして、ユーリエとこうして結ばれることもなかったと考えたら…
わたしは、彼に感謝しているよ。