>>_49…う…[館の外で、彼を縛っていた自らの鎖がほどかれるのだけはっきりと感じる。自分が望んだ事なのに、ひどく切ない。そしてそれ以上、彼がどうなったかが知れないのがもどかしい。時計の音が一秒を刻む毎に不安になる。自分からこの部屋の階段を昇って確認しに行こうか。そう考えるのに、いざ実行しようと思うと怖くて、その内足に力が入らなくなってその場に座って、手をついてしまう]…ナイジェル…[掌の上にひらりと落ちた桜の花びらを見つめながら、愛しい人の名を呼んだ]