……ったく。
そういうとこは、もうちょっと変わっても良かったんじゃねーの?
[雫に濡れた大輪花。
それが慟哭のそれでないのはわかる、けれど。
つい、口をついたのはこんな言葉]
ああ……ようやく、あえた、な。
[またな、といつもと同じ挨拶をして、別れて。
それから長い長い空白を経て、ようやくまた会えた、と。
そんな事を考えながら、つ、と手を伸ばす。
あの時に手渡したものは、まだポケットに収まってはいるけれど。
今はそれを差し出すよりも、直接触れたい、という気持ちの方が強くて。
零れた雫をそう、と指先で掬い取った。*]