[宝珠に込められているのは、長い年月をかけて蓄積された思い、願い、祈り、渇望などの『求める力』。
ある意味では、百年に一度世界の中枢にて顕現する『虚無』の一部。
それを掬い上げ、願いを叶える力に変換する事で、中枢にかかる負荷を軽減している、というのは。
本当に一部の者、それこそ神魔当人以外では魔人と、世界の中枢たる『世界軸の神子』しか知らぬ事で。
それが、対なる『柱』を喪った己を支えてくれた神子への、心ばかりの返礼であるというのは神魔以外は知る者もない。
もっとも、存在に繋がりのある魔人は、薄らと勘づいてはいるやもしれないが]