[最後まで聞き終えた竜が浮かべる色は、複雑な感情に染まったもの。一つ息を吐き出すと、目を閉じて]…ヘイハチロウ。儂は人の写し身が取れるだけで、人にはなれぬ。主とは住んできた世界も違い、生きる時間も違う。抱いてきた価値観も、あるべきと律した己自身もまた、違う。だから、儂にはそう簡単に、是と言えぬ。主の今の言葉に、頷きは返せぬ。