[悲嘆にくれることがあっても、はぐれたきょうだいの生存をうっすらと信じている、そんなところまで重なる子だった。時期が同じならばもしかして同じ戦いに巻き込まれていたのだろうか。そんなことは考えたが、まずは目の前のヴェルのことをいちばんに考える]それに、自己満足だってなんだって、その、願いがなかったら、きっと、わたしたち、ここで……[ふわりと途切れた言葉の先は紡がれない。だが伝わるだろうと思っていた。彼の願いは自分たちの再会につながったのだとそれを伝えたかった]