私の大切なもの…命と同等となるもの、かね?
部下、同僚、戦友……これらは命そのもの故同等となろうが、私の一存で差し出せるものではないし、私自身差し出すことを是とは出来ないな。
さて、命と等価となるものか……金品などでは納得すまい?
[歩み距離を詰める男性に対し確認するような問いかけ。
彼の手から鳥の死骸が消えているのに気付けば、緩く瞳を瞬いた。
ヴァンパイアについて問われれば]
伝承程度には。
実在を確認したことはないね。
[そう返しながら、あぁ、と心中で相手が求めるものを理解する。
実在を示すように紅い唇から覗く牙。
話の切り出し方からも、どうやら偽りではないようだ]