命二つの対価が、これで命一つ
…それが既に譲歩と思わないか?
[笑みこぼすは酷薄のいろ。
けれど、と続く声は内心の愉悦をわずかばかり滲ませたか]
貴方の大切なものを一つ捧ぐなら、それを求めるのも悪くはないね
……
[カツ、と踵に音を乗せて男は歩み寄る。
いつの間にか両手の鳥の死骸は梟に抱かれて淡く消え隠れていた]
貴方達の伝承にヴァンパイアはいないのかな
[唇から覗かせる牙は艶めく真珠色の鋭利]
男姿の腕に抱かれ暴かれ──死にも等しい快楽を得るのは、貴方の矜持が痛む?
[政治的な
相手が切ることの出来るカードは実のところ多い。
選択させるための情報を開示して、優しげに笑んだ**]