[口付け位では、きっと彼は拒絶しない。
けれどその先の…
許可を求める「愛し方」の意味を彼は理解しているだろうか?
皆が眠る静かな呼吸の音が重なる静寂の中。
少しずつ、ゆっくりと、彼が求めたあの日の続きを。
探るような舌遣いが貪るそれに代わり行き、微かな水音と、
熱の籠もる荒い呼気が静寂に混ざり不協和音を奏でた。
緊張だけでない汗に湿った指先が、
彼の衣服の中へと侵入し、弄る様に素肌を撫でる。
…彼は怯えてしまうだろうか?
けれど、最初に求めたのは、彼の方だ]
……――君の子を、
孕ませてくれるんだろう…?
[NOとは、言わせない、傲慢にそう言い放った
あの人同じ挑発的な口調で問えば、彼はどんな顔をしただろう?]